
新訳 「茶の本」
『茶の本』は日本の美術思想家、岡倉天心が第一次世界大戦前に英語で書いた本です。茶の本という名前からお茶の作法の本と思われがちですが、茶文化をモチーフに、そこに含まれる日本の美意識から禅に至るまでの東洋文化のエッセンスを、明晰かつ詩情を持った言葉で解説した本です。この新訳では、時代の不安定さ、そして子供の時に自分だけが新しい母親から見放され、里子に出された経験から来る心の不安定さに翻弄されながら、美と平和に理想を求めた岡倉天心像をもとに現代にもわかりやすい翻訳で新訳をお届けします。

新訳 「茶の本」 第一章:茶に広がる人間性(4/4)
しばらくの間、一瞬の夢を見て、美しく愚かしいときに浸ろう。
新訳 「茶の本」 第一章:茶に広がる人間性(3/4)
一杯の茶の中で、西洋と東洋は出会ってきた。それは、アジアの儀式で唯一世界から尊敬を集めるものである。
新訳 「茶の本」 第一章:茶に広がる人間性(2/4)
このような誤解は急速に消えつつある。経済的支配関係は東洋の港を開港させ、西洋の言葉を強制してきた。
新訳 「茶の本」 第一章:茶に広がる人間性(1/4)
茶は薬として始まり、飲み物として愛されるようになり、8世紀の中国では高貴な嗜みとして詩歌に並ぶまでに発展した。
新訳「茶の本」 〜まえがきにかえて
ふたたび戦争という不安が世界を覆う現代において、この新訳が誰かの「美しくも愚かしい」時間になることを願って。
