チャーミングで繊細な作家、小谷ふみさんのこと 〜発行人から見た「あなたのいない夕暮れに」メイキングその2〜
発行人が綴る世界の名詩を現代にあわせた新訳でお届けするボイスレター、「あなたのいない夕暮れに」のメイキング、第二回目は作家の小谷ふみさんについてです。
社長なのに、傷つきやすい。
それがぼくのコンプレックスでした。
その日も何気なく、友人にそんなことを冗談まじりで話していたときに、
その友人は「あなたのその繊細さは素敵だとおもう、直さなくていい。」という言葉と一緒に、
茨木のり子さんという詩人の「汲む」という詩を教えてくれました。
そこに書かれていた一節に、ぼくは衝撃をうけたのです。
“子どもの悪態にさえ傷ついてしまう
頼りない生牡蠣のような感受性
それらを鍛える必要は少しもなかったのだな
年老いても咲きたての薔薇 柔らかく
外にむかってひらかれるのこそ難しい
あらゆる仕事
すべてのいい仕事の核には
震える弱いアンテナが隠されている きっと……”
弱い心は、克服すべきもの。
心のどこかでそう思っていたぼくを救うような言葉でした。
同時にそれはきっと、
僕がずっと誰かに言って欲しいと思っていた言葉だった、
と思うのです。
yori.so publishingは、ぼくのそんな原体験から生まれた
傷きやすくて繊細な人が、その繊細さと一緒に生きるのが楽になるような時間をつくること目指して始まった小さな出版レーべルです。
ふるえるこころは、おくりもの。
あなたがそう思える日がくるまで。
yori.so publishing 発行人
高崎健司
yori.so publishingから生まれた初めての本です。
小谷ふみさんの「よりそうつきひ」。詩のような、エッセイのような。
読み終わったあとに、いつもと違う道を散歩したくなるような、
感じる心を開いてくれる本ですよ。
ぼくはこの本に書かれている “満ちていく日々 あなたとともに よりそうつきひ”
という言葉が好きです、あなたはどうですか?
発行人が綴る世界の名詩を現代にあわせた新訳でお届けするボイスレター、「あなたのいない夕暮れに」のメイキング、第二回目は作家の小谷ふみさんについてです。
あなたへ こんにちは。新たな年を迎えた鐘の音も遠くなり、日常の鼓動が戻ってきました。寒さも一段と深まりましたが、いかがお過ごしですか。
yori.so publishingでは、昨年より、世界の名作と呼ばれる詩を現代にあわせた新訳でお届けするボイスレター、「あなたのいない夕暮れに」をお届けしています。