エミリー・ディキンソン「水を喉の渇きが」
あなたへ こんにちは。 節分をまたぎ、暦は冬から春になりましたが、しかめ面の北風はまだまだ健在で、春はどこか遠くで眠ったままのようです。
社長なのに、傷つきやすい。
それがぼくのコンプレックスでした。
その日も何気なく、友人にそんなことを冗談まじりで話していたときに、
その友人は「あなたのその繊細さは素敵だとおもう、直さなくていい。」という言葉と一緒に、
茨木のり子さんという詩人の「汲む」という詩を教えてくれました。
そこに書かれていた一節に、ぼくは衝撃をうけたのです。
“子どもの悪態にさえ傷ついてしまう
頼りない生牡蠣のような感受性
それらを鍛える必要は少しもなかったのだな
年老いても咲きたての薔薇 柔らかく
外にむかってひらかれるのこそ難しい
あらゆる仕事
すべてのいい仕事の核には
震える弱いアンテナが隠されている きっと……”
弱い心は、克服すべきもの。
心のどこかでそう思っていたぼくを救うような言葉でした。
同時にそれはきっと、
僕がずっと誰かに言って欲しいと思っていた言葉だった、
と思うのです。
yori.so publishingは、ぼくのそんな原体験から生まれた
傷きやすくて繊細な人が、その繊細さと一緒に生きるのが楽になるような時間をつくること目指して始まった小さな出版レーべルです。
ふるえるこころは、おくりもの。
あなたがそう思える日がくるまで。
yori.so publishing 発行人
高崎健司
yori.so publishingから生まれた初めての本です。
小谷ふみさんの「よりそうつきひ」。詩のような、エッセイのような。
読み終わったあとに、いつもと違う道を散歩したくなるような、
感じる心を開いてくれる本ですよ。
ぼくはこの本に書かれている “満ちていく日々 あなたとともに よりそうつきひ”
という言葉が好きです、あなたはどうですか?
あなたへ こんにちは。 節分をまたぎ、暦は冬から春になりましたが、しかめ面の北風はまだまだ健在で、春はどこか遠くで眠ったままのようです。
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