江戸時代から萬古焼で知られる三重県四日市にて、50年以上の歴史を持つ窯元。現在はお茶にまつわる道具を製作している。戦争や工業化など時代の影響を受け変容してきた萬古焼の歴史の中で、南景製陶園は作家作品のような表現を可能にする鍛錬された技法、生活様式に合う使い心地を探求してきた。そこで生まれる道具たちからは、洗練され研ぎ澄まされたフォルムでありながら、静かで決して強く主張せず、使い手の安らぎの時間によりそう凛とした優しさが滲む。
急須の蓋裏には商標でもある「万事急須」の刻印がある。どんなに上手くいかないときも、美味しいお茶を淹れて一息つけば、「災い転じて福となす」きっと良い機運が巡ってくるという願いが込められている。
心ざわつく日も、晴れやかな日も。お湯を沸かしお茶を淹れる。ほっと一息、心をニュートラルに戻す時間を。