短編映画「あなたのいない夕暮れに」の製作が始まります

by 高崎健司
yori.soの声による詩の連載「あなたのいない夕暮れに」を映画化するプロジェクトが始まります。
監督はyori.so主宰の高崎、脚本は原作を書いていただいた作家の小谷ふみさん、主演は連載で朗読をやっていただいた天野さえかさんです。
衣装にはオートクチュールメゾン「May&Juneさんをお迎えします。
これから製作の様子をウェブサイトやSNSを通じて発信してゆきますので、どうか応援のほど、よろしくお願いします。
「あなたのいない夕暮れに」について
アメリカの南北戦争時代を生きた女性詩人、エミリー・ディキンソンの詩の新訳をボイスレターという形にした声によるWEB連載。
エミリー・ディキンソンは、いつも白いドレスを身にまとい、美しい自然につつまれた自宅からほとんど外に出ることはありませんでした。
そして社会と世界と、彼女なりの距離を取りながら、詩をひそやかに書き続け、限られた人と手紙のやりとりをして過ごしました。
ステートメント
いつの間にか、独立してから14年が経ちました。
良かったことも、良くなかったこともたくさんあった14年間で、家族や従業員の生活を守るために、トロッコ問題のような問題にも最終決断をするという立場上、人間のきれいでない部分や生々しい部分もたくさん見ざるえなかった期間でもありました。
自分なりに思いにふける期間を経て、15年の節目の年に、そこで心に溜まった負の感情の負債のようなものを一度返済したい、そのために悪かったことを含めて、今まで自分の心に点をうってきたものを線につなげるために映画を撮りたい。と、ふと思いました。
誰かを憎まないでいられるように。
「悲しみと無の間において、僕は悲しみを選ぶ」とは村上春樹にも影響を与えたウィリアム・フォークナーの小説の一節です。
「鈍感力」なんて言葉もあるように、悲しみや痛みを感じる心なんてない方がいいなんて風潮も感じる世の中ですが、それが悲しみであったとしても、それをきちんと感じる心をなくしたくない。
そしてその心を自分を責めたり、他人を憎しんだりに使うのではなく、人の心を助けるために使えたら。
そんなことを表現した映画にできたら、と思うのです。
be sensitive & effectual.
監督 高崎健司

高崎健司
1983年千葉県生まれ。
2005年国際基督教大学教養学部卒。
ソフトバンク(株)で4年半Webサイト構築の仕事に従事した後に、独立。
2011年、ECサイト制作に特化したnon-standard world株式会社を起業。
2022年、「揺れやすい心のよすがになる物事を作る」というコンセプトのもと、
yori.so gallery & labelを立ち上げ、アーティストと物事を共創する。
美しさとは?人の心とは?組織とは?という問いを探求するなかで、岡倉天心の茶の本と出会い、その魅力に取りつかれる。