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世界が記述可能であることについて

#column

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by 高崎健司

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先日、北海道にある日本最北端の島、礼文島へ行ってきた。
稚内港から2時間、天候の良い日はロシアのサハリンが見えるという。

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気候が寒冷であることから、本来、高山でしか見られない貴重な植物がここでは低山でみることができ、それが独特の風景を生み出している。

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旅のお供は物理学者のリチャード・ファイマンのエッセイだった。
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ノーベル物理学賞を受賞した学者であり、個展を開くほどの腕前の画家でもあった彼は、この世界の不思議なことは、この世界で起こる全てのことは物理法則で記述できることであることであり、自然の美しさも法則を知ることでより一層深く感じることができると述べている。

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風になびく木々のなびき方も、空が昼に青く見え、夕暮れには赤く見えることも、すべて物理の法則によって説明できる。

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個人的に物理学は、神という概念を使わずに「世界とは何か」を探求する学問だと思っているが、美しさとは人がこの世界の法則に触れたときに感じるものであるのかもしれない。

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私達が夜の闇を美しく感じるのは、その後に朝が来ることを知っているから。
礼文島の幻想的な風景を見て、そんなことを思った。

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