マットな質感とシンプルで直線的なかたちは、どんな空間にもしっくりと馴染むデザイン。フラットに浅く広い形は見た目にインパクトがあるが、茶葉がじっくりと広がり湯流れが良く、洗いやすさ、安定感という利点も備える。
淡いベージュの優しい色合いは、大正時代に急須の陶土として流行した「白泥」を南景製陶園オリジナルの配合で復刻し生み出されたもの。釉薬をかけないことで表面の細かな凹凸がお茶の渋みを程よく緩和し、まろやかで美味しくなるという。

南景製陶園の道具は、見た目の美しさだけでなく、取っ手の形状や注ぎ口の角度など、誰のどんな手にもしっくりと馴染むよう使いやすさにこだわった設計がされている。急須本体と同じ土で作られた「共茶漉し」は、ひとひとつ職人が手作業で穴を開けて仕上げているとは思えない緻密な美しさである。同時に程よい大きさでしっかりと茶葉をキャッチしつつ、湯流れの良さ、旨味の素である小さな茶葉は通す設計にこだわっており、まさに「用と美」を体現している。