宝瓶（ほうひん）という持ち手のない急須に、２つの碗がすっぽりと収まる茶器のセット。
茶道の野点（のだて・野外で行う茶の湯）の道具を思い起こします。
直接本体を持ちますので、熱いお湯は入れられませんが、70度くらいまでの低温で淹れる、香り高い玉露や煎茶に適しており、お茶のスッキリとした甘味や旨味がより引き出されます。
碗の内側には乳白の釉薬が施されており、お茶の美しい色合いをご堪能いただけます。

南景製陶園らしい直線的なデザインは、スタイリッシュでモダンな空間にも、ほっとする懐かしさのあるお部屋にもすっと馴染みます。コンパクトに収納できるのも有難いですね。

陶土は昔から急須用に配合されている鉄分を多く含む赤土で、焼きしめる過程で鉄分が炭化し、「黒練」の色を生み出します。釉薬をかけないことで表面の細かな凹凸がお茶の渋みを程よく緩和し、まろやかで美味しく変化させます。粘性の高い陶土を高温で焼き締めているので、吸水性は無く茶葉の香りが残りません。様々な茶葉をお楽しみください。

外にお持ちになる際には、緩衝のため、急須と碗、碗同士、重なる部分に布を挟んでいただくのが良いようです。携帯に便利なかたちですので、晴れた空の下、自然の中でゆっくりお茶を楽しむ、そんな豊かな時間を想像させます。