yori.so 企画展 「fictional function」開催のお知らせ
by 高崎健司
gallery room yori. soでは11月より、画家・YLLY(ユリ)さんとの企画展を開催します。
ぜひお越しください。
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YLLY(ユリ)は大阪芸術大学を卒業した後、自ら会社を立ち上げアーティストやクリエイターのお金のマネジメントに関する仕事をした後、画家になった異色のキャリアを持つ作家だ。その作風は立体的な奥行きをもった、アートとデザインの中間のようなタッチのものが多い。
デザインとは「装飾」と誤解されやすいが、実際は誰かが「伝えたい」ことを「伝わる」形にする行為であり、言わばコミュニケーションの媒介であると言える。
そしてお金とは物としての価値はただの紙であるが、皆ががそれはただの紙ではないという虚構を信じることで価値のあるものとされている、虚構の機能(=fictional function)を持った媒介物である。
お金は何を媒介しているのか。「見知らぬ他者との価値の交換」である。
そういったリアリティの中で葛藤した彼が生み出すコミュニケーションとしての作品群が、繊細な人がその繊細さを活かして生きることを手助けするという当ギャラリールームのコンセプトに合致しているではないかと思い、今回この展示を企画させていただいた。
人とは光と闇を同時に持った存在であり、生きていくことは時に綺麗事ではないシビアなリアリティにさらされることである。
それでも、私達は他者と何かを交換しながら生きていくだろう。
人がお金を発明した理由は、他人と関わるためなのだから。
人がデザインを生み出したのは、他人とコミュニケーションをとるためなのだから。
人が絵を生み出したのは、他人に何かを伝えるためなのだから。
彼の作品から、私はそんな勇気を与えられるのである。
yori.so gallery & label主宰
高崎健司
展示内容
画家・YLLY(ユリ)さんの作品をgallery room yori.soの部屋に溶け込むように展示。
貸し切りの空間で絵に囲まれる時間をお楽しみください。
プロフィール
YLLY(ユリ)
1976年大阪府堺市生まれ
2000年大阪芸術大学芸術学部環境計画学科卒業
手芸作家である母の影響で幼少期から絵を描くことや創作に慣れ親しむ。
2007年にアーティスト、クリエイターのマネジメントを支援する会社を設立。
2021年まで会社経営者として活動後、2022年より東京を拠点にアーティストとしての活動を開始。
日常生活や思考から着想を得たものをグラフィカルでシンプルに表現するスタイルで、作品や展示空間を通して、観賞者に刺激と非日常的な感覚を与えたいと考えながら制作しています。
本展示は「アートに囲まれながらリラックスした時を過ごす場所」というコンセプトを掲げるギャラリールームに溶け込ませること、またキャンバスと壁面の関係性に着目。
境目や接続といった部分の視覚表現に焦点をあて、訪れる方にギャラリールームが想像力やインスピレーションを掻き立たせる空間としての役目を果たせるようイメージしてデザインした「gallery room yori.so」のための作品5点を展示しています。
開催情報
会期:2022年11月1日(火)〜2023年1月29日(日)
会場:gallery room yori.so
東京・西荻窪にある有料・貸し切りの完全予約制のギャラリールーム。
ご来場にはご予約が必要になります。
こちらよりご予約ください。
高崎健司
yori.so gallery & label代表。心の中にある繊細さを、誰かを傷つけるためではなく、誰かと関わるために使う生き方を助けるために、ギャラリーと出版レーベルを運営してます。
1983年、千葉県生まれ。2005年、国際基督教大学卒業後、ソフトバンク(株)入社、2009年に独立。2011年、non-standard world株式会社を起業。