About Atelier yori.so

About Atelier yori.so

原子よりも小さな物質の織りなす世界を研究する学問に、量子力学という学問があります。そしてその中に、デンマークの量子学者が発見した「相補性」という発見があります。

それは、私たちの体も森も木も宇宙もこの世界に存在するものは、「不完全で矛盾した小さな物質同士が関係し結びついて、一つの完全な姿になっている」という概念です。

日本にも、芸術作品の欠けている不完全な部分をあえて残し、見る人の想像力で完全なものに補うという禅の影響から生まれた美意識があります。

例えば、日本の美意識の結晶である茶室において、花をいける花器から飾る絵画まで、そこに置くものは、あえて左右対称でなくバランスも取れていないものが選ばれます。
あえて安定のとれていないものを配することで、見る人がその余白の中に想像力を見出すことができるという哲学からです。

西洋と東洋、科学的な手法と詩学的手法で導きだされたものという違いはあれど、物質は一つのものだけで完全な姿になるのではないということは間違いなさそうです。

そして人もまた、不完全さ、バランスの悪さを、互いに重なり補完しあうことで、一つの完全さ、美しさを作れると、私たちは考えています。

atelier yori.soはそのような矛盾した2つのものが寄り添い、
重なり合うことで生まれる美しさを探求するアトリエです。

アートとサイエンス、日本的余白と西洋的装飾、 都市と自然。そして優しさと強さ。

願わくばこの場所が現実世界で傷ついたものたちが、一時の間その現実から離れ互いの想像力によって、一つの美しい即興劇を作り上げた茶室のような場所であるように。

atelier yori.so 主宰
高崎健司

projects

新訳「茶の本」

“茶の本”は東京芸術大学の実質的創始者であり、日本の美術思想家、岡倉天心が第一次世界大戦前に英語で書いた本です。

茶の本という名前から、お茶の作法の本と思われがちですが、茶という文化をモチーフに、儚いものを愛でる、見る人の想像力によって作品を完成させるために、あえて不完全さを残すといった日本の美意識、そしてその美意識の礎であり、仏教と老荘思想の融合である「禅」という東洋文化のエッセンスを明晰かつ詩情を持った言葉で解説した本であり、現代に至るまで数々の芸術家、クリエイター、文化人に多大な影響を与えてきました。

何よりも、atelier yori.soにとって、大切にしたい人との関わり方と美意識が詰まった本です。

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portraitly

デザイナー、miho tanakaさんとの出会いによって生まれたフォーマルドレスブランド。

「portraitly」は肖像画のようなを表す造語。
真のエレガンスは服ではなく、その人自身のリラックスした心のあり方の中にあるという考えのもと、西洋の伝統的手法であるオートクチュールの伝統を大切にしながらも、過度な装飾を廃し、肖像画のように着る人自身の凛としたあり方を引き立たせる服飾を提案しています。

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あなたのいない夕暮れに

エミリー・ディキンソンは、南北戦争の時代を生きたアメリカの詩人です。生涯を自然の中の家の中で白いドレスを着て過ごし、ほとんど外にでることがなく、窓から差し込む光を頼りに詩作を続けました。

わたしたちはその生き方から、自分の心の中にある壊れそうなものを現実世界の棘のようなものから守りたいという気持ちと、それでも創作を通じて現実世界と関わりたいという祈りのような気持ちの両方を感じます。

そして、その気持ちはきっとどんな人にも当てはまるもの。

be sensitive & effectual.
繊細さとともに、人とのかかわりあいを紡ぐように生きていくことをテーマにしているわたしたちにも重なるものでした。

そうして、その生き方から着想し、一つの映画と2つのドレスが生まれました。ディキンソンの詩を新訳した朗読短編映画、「あなたのいない夕暮れに」。私達がforget me notそしてtouch me notと名付けたオートクチュールの技法をつかって作られた2つのドレス。

forget me notは現実の中で生きていくための、覚悟のような。touch me notは自分の理想の世界に思いを馳せながら、創作をおこなって行く儚さを。それぞれモチーフにしながらデザインしました。

現実と理想、幸と不幸が重なりあい揺れながら、世界を生きているあなたの心のよすがになりますように。

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