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世界が記述可能であることについて

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by 高崎健司

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先日、北海道にある日本最北端の島、礼文島へ行ってきた。
稚内港から2時間、天候の良い日はロシアのサハリンが見えるという。

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気候が寒冷であることから、本来、高山でしか見られない貴重な植物がここでは低山でみることができ、それが独特の風景を生み出している。

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旅のお供は物理学者のリチャード・ファイマンのエッセイだった。
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ノーベル物理学賞を受賞した学者であり、個展を開くほどの腕前の画家でもあった彼は、この世界の不思議なことは、この世界で起こる全てのことは物理法則で記述できることであることであり、自然の美しさも法則を知ることでより一層深く感じることができると述べている。

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風になびく木々のなびき方も、空が昼に青く見え、夕暮れには赤く見えることも、すべて物理の法則によって説明できる。

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個人的に物理学は、神という概念を使わずに「世界とは何か」を探求する学問だと思っているが、美しさとは人がこの世界の法則に触れたときに感じるものであるのかもしれない。

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私達が夜の闇を美しく感じるのは、その後に朝が来ることを知っているから。
礼文島の幻想的な風景を見て、そんなことを思った。

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高崎健司

yori.so gallery & label代表。心の中にある繊細さを、誰かを傷つけるためではなく、誰かと関わるために使う生き方を助けるために、ギャラリーと出版レーベルを運営してます。

1983年、千葉県生まれ。2005年、国際基督教大学卒業後、ソフトバンク(株)入社、2009年に独立。2011年、non-standard world株式会社を起業。

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portraitly

yori.so labelから新しく始まった服のブランド。
portraitlyは「肖像画のような」を表す造語。
肖像画のように着る人自身の凛とした美しさを引き出す服を目指しました。

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小谷ふみ

書く人。詩・エッセイ・物語未満。
うろうろと、おろおろと、揺らぎながら揺らがない言葉を紡ぎます。

夫と息子とヤドカリと、丘の上で小さく暮らしています。いまやりたいことは、祖父の一眼レフを使いこなす、祖母の着物を着こなす(近所のスーパーに着て行くのが億劫でなく、そして浮かない)こと。

本「よりそうつきひ」(yori.so publishing)・「やがて森になる」・翻訳作品集「月の光」(クルミド出版)・詩集「あなたが小箱をあけるとき」(私家版)など。

http://kotanifumi.com/

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