column vol.: 白いドレスを着た、エミリーのこと  〜発行人から見た「あなたのいない夕暮れに」メイキングその1〜

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yori.so publishingでは、昨年より、世界の名作と呼ばれる詩を現代にあわせた新訳でお届けするボイスレター、「あなたのいない夕暮れに」をお届けしています。

ファーストシーズンは、アメリカの南北戦争の時代を生き、白いドレスを着ながら生涯をほとんど家の中で過ごした、詩人エミリー・デキィンソン。 ここでは、発行人の僕から見たメイキングについて綴らせてください。

エミリー・ディキンソンについて初めて知ったのは、今から18年前、大学時代だっと思います。 そのころ僕は映画少年で、大学の先輩とよくアート談義をしていました。

「ひきこもりでほとんど恋愛したことないのに、恋愛に関する優れた詩をたくさん残して、アメリカの歴史に名を残した詩人。だから高崎くん、人は経験がなくても想像力があれば歴史に名を残せるんだよ。」 そんな風に先輩からディキンソンを紹介されたのを覚えています。

「ほんとうは深く人と関わりたいと願っているのに、繊細すぎたり、不器用すぎたりでそれがうまくてきない」

自分もそうですし、自分のまわりにもそういう人が多いのですが、ディキンソンを調べれば調べるほど、そんな人であるような印象を持ちました。

そして、時がたち、stay homeな世相だからこそ、想像力だけでここまで優れた詩を残せる詩人の新訳に意味があるのではないか。 彼女の人と関わりたいでも、うまくできない、そんな祈りのような言葉を現代の読みやすい言葉で伝えることに意味があるのではないか、それがこの企画の原点にあります。 そうして、声をかけさせて頂いたのが、作家の小谷ふみさんでした。

(つづく)