ドキュメント“ものをつくるということ”

ドキュメント“ものをつくるということ”|作家・小谷ふみ vol.2「日常は宇宙」

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日常は宇宙

病気を患ってからは、書いているか書いていないかが、自分の状態を知るバロメーターになったという。「書いてないと、急ブレーキがかかっちゃうから気をつけないとって思うようになりました。そこからコンスタントに文章を書いています。」

育児日記という入り口から始めった「ものを書く」という道は、季節のこと、世の中のこと、家庭内のこと、両親のこと、自分の病気のことへと、木の枝が伸びていくように、気がつくと大きなものを描き始めていた。

「結局日常のことには変わりはないんですけど、日常は宇宙だなって。非日常より日常を生きることって大変で美しいことでもあるし。よくよく考えてみたら、人が生きる根底というか。だから日常をテーマに書いてます、って気軽には言えないくらい大きなテーマです。」

模写するように文を書く

朝起きてごはんを食べ、電車に乗って同じ場所まで行き、夜になり戻ってきて眠る。なんの変哲もない毎日は、立ち止まって考えることなく、流れにのって過ごすほうが、時には生きていくために利口なことなのかもしれない。その「日常」を書くということ。立ち止まってみると、その複雑さが見えたり、意外とドラマチックであったり、ドラマチックでないドラマがあることも知るようになった。

「文を書くとき、模写するみたいに書くんです。その時の状況とか感情を思い浮かべて、じっくり観察して言葉におこしていく作業なんです。」それは画家が、絵の具や筆を選ぶように、言葉を選んでいるという。

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クルミドコーヒーとの出会い

「ものを書く」ということコンスタントにを続けていたある頃、上手く書けなくなってしまったと悩んでいた時期があった。そんな時に出会ったのがクルミドコーヒーだった。今から約3年前のこと。

「地下の席に入ると、秘密結社みたいな雰囲気で(笑)。ある人は本を読んでいて、ある人はひたすらものを書いていて、図書館みたいになってたんです。チェーン店のカフェでは見られない光景がそこにはあって。その頃から通い詰めるようになりました。」

クルミドコーヒーにいると、不思議となんとかなるような気持ちがした。新たに文章を書いたり、過去の文章を今の自分に塗り替えるような編集作業をしたり、出版社にもっていくための作品選びの作業を夫としたり、息子と一緒に本を読んだり、いろいろな時間を過ごした。

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いつの間にか始まった本づくり

あるとき、クルミドコーヒーの上階にあるマージュ西国分寺というコレクティブハウスに住む、息子の友だちから一家族が引っ越してしまうという情報を耳にする。空き状況を問い合わせてみると、早速内覧することに。そしてオーナーの影山知明さんと入居面談という形ではじめて出会う。

「そのときにクルミドコーヒーでいつも文章を書かせてもらっているんですって話して。いつか原稿読ませてくださいね、ってその時は終わりました。」もともとは、いつか自分の本を出版することになったら、それまでカフェで過ごした時間のお礼も兼ねて内容を見せようと夫と話し合っていた。

ところが、マージュ西国分寺の入居が決まり、コレクティブハウスでの生活が始まり、たまたま影山さんに文章を読んでもらうことに。それからは「こんな風にしたらいいんじゃないか」というやり取りをしているうちに、一緒に本をつくろうと約束をわけでもなく、いつの間にか本づくりというプロジェクトがスタートしていた。

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この記事を書いた人:

よりそう。の店長。ウェブマガジンの編集長、オンラインショップの店長業務を担当。2014年から、夫でもある社長・高崎と共に、東京から福岡へ移り住む。海と山とあたたかな人に囲まれながら、息子二人の育児にも奮闘中。

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