ノンスタカフェ

アートな魚に魅せられて

間違いなく私は、魚譜画家・長嶋祐成さんの影響で魚が好きになりつつあります。いや、好きになっています。

正直これまでの人生、魚に興味がありませんでした。むしろちょっと気持ち悪い、魚売場や海の臭いもちょっと苦手。それが今では魚をどうしても見たくて、というより魚に会いたくて、水族館に行くほど好き。水族館に行ってますます好きになりました。

だんだんと惹かれる魚の世界


バタフライレインボーとその仲間 Pseudomugilidae

はじめは魚の絵の優しい色彩に、次に愛情のこもった一筆一筆に、そして小説のような文章に惹かれ、魚がだんだんと気になり始めました。

えらを膨らませた顔つき、ピンと張ったひれ、力がはいってくるんと反った尾。こういう魚を目にすることには、すばらしい色づかいの絵画や美しい人の姿を眺めるのと同様に、鋭い「見る快楽」がある。
魚の譜「コショウダイ」より

こんなに小さな身体に、大陸移動の痕跡までもが刻まれていると思うと、実に心が躍る。海水魚がいつの間にやら淡水魚になってしまうという、想像もつかないような膨大な時間の蓄積を目の当たりにできるのだから、彼らの姿はどれだけ見続けてもワクワクが止まない。
魚の譜「バタフライレインボーとその仲間」より

娯楽ではなく本気の水族館

こんな文章と絵を見ると、なんだか見たくなるのです、むずむずと。そしてついに行ってきました、すみだ水族館!これまで水族館は娯楽として足を運んでいたように思います。デートの場所として、子供の休日の場所として。でも今回は本気で魚に会いに行きました。

あらためて見る大きな水槽に泳ぐ魚たち。魚によって泳ぎ方が全然違うことに気づいたり、その中で自分の好きな泳ぎ方をする魚をみつけたり、複雑な模様や色合いにため息が出たり。普段絶対に見ることのできない、海の底に広がる世界の壮大な営みを想像して、妙に自分の小ささを感じたり。

好奇心の高揚を外の世界へ

「水族館というのはあの薄暗い空間でガラス一枚隔てた向こうに海の底の世界があって、本来は人の知的、美的好奇心をすごく刺激する場だと思うんですけど、そこを抜けた後のしめくくりがクッキーやキーホルダーやぬいぐるみがいっぱいのミュージアムショップで、一気に俗世に引き戻されるというか遊園地化してしまうというか。
それがもったいなくて、もっとあの青い空間で感じていたはずの好奇心の高揚が外の世界にまで持ち出されればいいなと、ある頃からなんとなく思うようになりました。」
魚の絵を描いている意味のひとつとして話してくれた長嶋さんの言葉です。

どうやら私は、長嶋さんの目論見通り、好奇心を掻き立てられ、魚の世界に足を踏み入れたようです。きっとそれは、きれいな魚の写真と、品種名や生息地が書かれた文章では見向きもしなかったけど、優しさ溢れる絵と魚に対する愛情と敬意さえも感じられる文章によって、心が動いたのだと思います。それがアートのもつすごいところだなと思うのと同時に、信じたい部分でもあります。コントロール不可能な、理屈抜きの、その心を動かしてしまう力を信じて。

長嶋さんの描く魚のiPhoneケースは11月中旬販売を開始する予定です。そして長嶋さんのお話を直接聞くことのできるノンスタカフェ「魚についてのものがたり」は11月17日(土)に開催します。原画も展示するのでぜひ遊びにきてください!

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この記事を書いた人:

よりそう。の店長。ウェブマガジンの編集長、オンラインショップの店長業務を担当。2014年から、夫でもある社長・高崎と共に、東京から福岡へ移り住む。海と山とあたたかな人に囲まれながら、息子二人の育児にも奮闘中。

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