優しいこころとからだをつくるレシピ

味付けは塩のみ!料理家cayocoさんに学ぶ、野菜の旨味を生かしたやさしいおでんレシピ

「優しいこころとからだをつくる」をテーマにしたレシピを、料理家cayocoさんから学ぶ連載第3回は、下茹でせずに簡単につくれる「やさしいおでん」のレシピをお届けします。

雪が降ったりとまだまだ寒い日が続いてますね。そんな時は体の根っこから温めるごはんを食べたい!でもできたら簡単に作りたい!そんな両方の思いを叶えるレシピ「野菜のやさしいおでん」を今回はご紹介します。

おでんは下茹でをして時間がかかる…ましてや野菜だけで旨味が出るのか…。そんな心配もご無用です!ちょっとした工夫で野菜の旨味を引き出すポイントも教えていただきました。

それでは、cayocoさんにバトンタッチします!

体の根っこを温める「やさしいおでん」

毎日寒い日が続きますね。身体の冷えを放っておくと、体温と代謝が下がり免疫力も落ちて、流行りの風邪に身体が負けてしまう時があります。旬の根菜や美しい色の野菜を楽しく美味しく頂いて体の根っこを温めましょう。

今回は「やさしいおでん」を作ります。透き通ったスープに野菜が浮かび、見た目からも野菜の個性ある形と色に、ほっと心も緩みます。

そして調味料は塩だけなのですが、調理工程を工夫するだけで野菜のやさしい美味しさを引き出して、鰹出汁に負けないくらいの旨味がある出汁が出来上がります。

おでんの通常の作り方は、下ゆでをしたり、材料別に煮たりと少し手間がかかる煮物でもありますね。下ゆでの代わりに、野菜を焼き付けることで、アクを旨味に変えて野菜の美味しさを生かします。

エリンギとロマネスコは(なければブロッコリー)なぜか魚介の様な旨味があり、この2種類の野菜を出汁のベースにして、あとはお好みの野菜を使ってください。トッピングにゆず、生姜、味噌、スパイスをのせれば香りも楽しめますね。

<野菜のやさしいおでん>

◎材料

エリンギ 2本
ロマネスコ(ブロッコリーでも可)2/1個
大根 3/1本
人参 1本
蒟蒻 2切
里芋 2個
ミニトマト(あれば) 2個

粉山椒 好みで

◎作り方

①エリンギは縦半分に切り、斜めに切り込みを入れて塩で揉む。

大根は好みの大きさに切る。人参は大きなものは縦に4等分にする。ロマネスコは縦に4等分に。蒟蒻は好きな大きさに切り格子の切り込みを入れる。里芋は皮をむいて水に浸しておく。

②鉄鍋を熱し油をひかずに中火で、ロマネスコ、人参、蒟蒻を両面焼く。焼き目がついたら取り出しておく。

③同じ鍋でエリンギと大根を両面焼き、焼き目がついたらひたひたより多めに水を入れて沸騰するまで強火にかける。

④沸騰したら更に塩を加えて弱火で大根が柔らかくなるまで蓋をして煮る。

⑤ロマネスコ、蒟蒻、人参、里芋を入れて柔らかくなるまで蓋をして弱火で煮る。
里芋は大きなものや収穫してから日が経ったものは、煮えるのに少し時間が必要。その場合は、大根がほんの少し柔らかく煮えてきたところに里芋を入れて煮る時間を長くする。

⑥出汁の味を塩で整えて、食べる直前にトマトを加え温める程度に煮て、器に盛り付け粉山椒をふる。

<塩だけで野菜の美味しさを引き出す、心のレシピ>

◎エリンギのポイント

エリンギを切る。エリンギは繊維を断つ様に斜めに切り込みを入れる。

塩の浸透圧で旨味が引き出される様に多めの塩で揉み込みます。

野菜を切る時のポイント

野菜を切るときに野菜の性質や、個性を生かす様に切る。お皿に盛り付けた時に美しい形をイメージして、野菜が畑にいた時の大きさを感じることができたり、または野菜の主張に耳を傾け、切る大きさを委ねる。

例えば大根は皮を剥くか剥かないかも大根と相談。皮が柔らかそうなら皮を剥かなくてもすぐに煮えるし美味しさも増す。

「皮の内側の繊維が硬くなっていたら食べずらいし、大根だって美味しく食べてもらって命を捧げたいと思っているはず」なんて声が聞こえてきたら固い皮は剥いてしまいます。

包丁を入れる時は野菜が痛さを感じない様さっと包丁を入れる。繊維を断つと煮えやすく味が染みやすい。

煮崩れを防ぎたいときは繊維に沿って切る。煮崩れしない様に、けれどふんわり煮えるように、全ての野菜が同じ鍋の中で同じタイミングで煮える様に切り方を感じ取る。

野菜を焼く時のポイント

ロマネスコ、人参、を焼き付け、取り出すタイミングは表面が透き通って綺麗な色に変わる瞬間を見守り取り出す。

大根とエリンギも焼き目がつき、表面がスーッと透明になる瞬間を逃さない様見守る。焼き目は真っ黒にならないように気をつけましょう。

煮る時のポイント

大根とエリンギを煮る時は、ひたひたより多い水と、ほんの少し塩を多めに入れて、浸透圧で野菜から旨味を引き出す様なイメージで塩を加える。

塩は野菜に似合う美味しい塩加減よりも気持ち多く、ほんの少しだけ辛いかなと感じるくらい塩を加える。

ロマネスコ、人参、里芋、はすぐに煮えやすいので後から入れる。

煮る時は、時間は計らずに、鍋の音に耳をすませていましょう。野菜が柔らかくなると鍋のコトコトという音も柔らかい音になります。

◎味付けのポイント

最後に味見をして塩辛ければ水で調節し、塩が足りなければ加える。お皿に盛り付け好きな香りをのせる。

一晩おいたおでんは出汁が染みて格別に美味しくなっているはずです。

◎最後に、素材のお話

・おでんが余ったらこの出汁に、木桶作りの味わい深い醤油を少し垂らして、うどんにしても美味しいです。

・塩は天日塩を使っています。ツンとした塩辛さがない、後味が甘く感じられる塩を使いましょう。

・野菜は減農薬、無農薬野菜を使っています。塩、野菜、水だけのシンプルな材料で楽しむお料理は、生で食べても美味しいと思える元気な野菜がこのおでんに向いています。

農家さんとお話しできるなら農家さんに野菜のことを聞いてみたり、八百屋さんで買うならおすすめを聞いてみて元気な野菜を使ってください。

ですが鮮度が落ちた野菜でも楽しんで作ってみてください。味が足りないと感じたら、ほんの少しの味醂や白たまり醤油で旨味を手助けする事もできます。


今回のレシピにも登場したポイント「野菜の切り方」にフォーカスした、cayocoさんの料理教室が開催されます。

「やさしい野菜の切り方教室」

◎日時
3月10日(土)10時〜13時

◎参加費
5000円

◎持ち物
エプロン お手拭き

◎定員
8名

◎場所
nida   http://www.nidayoga.com

東京都渋谷区渋谷4-3-17常盤松葵マンション402
地下鉄表参道駅(B1出口)より徒歩約8分  JR渋谷駅(中央改札)より徒歩約12分(ヒカリエ,クロスタワー内を通って来られると早いです)

◎お申し込み
担当 cayoco
[email protected]
件名「3月10日お料理教室」として「1お名前。2電話番号。3お料理のお悩みなどあれば。」を記入しご連絡ください。

cayocoさんの料理教室は、私も参加したことがあるのですが、普通の料理教室とは違って即興のドキドキ感と学びがあります。工程を教えてもらえるだけでなく、素材に耳を澄ませることを体感できるので、毎日のごはんづくりに生かすことができています。

そしてなにより、ごはんづくりで一番大切なことをそっと教えてくれるので(それが何かは実際の料理教室でのお楽しみ!)毎日台所に立つことが億劫になっている方には特におすすめです。

3回に渡ってお届けしてきた「優しいこころとからだをつくるレシピ」、いかがでしたでしょうか。体調を崩しやすい冬の季節ですが、すぐそこに来ている春を楽しく待ちましょうね。

館内放送

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この記事を書いた人:

「よりそう。」館長。時として編集長に変身し、ライターとして駆け回り、ドローンも飛ばしちゃいながら、訪れるみなさんをお出迎えします。好きな本は、稲葉俊郎『いのちを呼びさますもの』。好きな料理は、さつまいも料理。
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いただいた言葉たちは、大切に読ませていただきますとともに、こちらの連載にてお返事させていただいております。

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