よりそうつきひ

本は思いやりで出来ているから。ー私たちが本づくりに挑戦する理由(前編)

こんにちは、店長の大浦です。

作家・小谷ふみさんの本づくりのプロジェクト「言葉の基金」で呼びかけているクラウドファンディングにつきまして、応援してくださる方が少しずつ集まり始め、感謝の気持ちでいっぱいです。

なぜ私たちが本をつくることになったのか、今回のクラウドファンディングの立ち上げの裏側を今日から2日間にわたりご紹介したいと思います。

人柄にも、言葉にも、心を掴まれた5年前の出会い

「本は思いやりで出来ている」。

本づくりに全くの未経験者である私たちに作家・小谷ふみさんが教えてくれたこの言葉。書店に並ぶ数え切れないほどの本。その中に、どのくらいこんな気持ちで作られた本があるのでしょう。その言葉の意味を紐解くために、少しだけ時計の針を戻したいと思います。

私たちの出会いは、遡ること5年前。小谷さんにとって初の著書「やがて森になる」の出版元クルミド出版さんのウェブサイト制作を請け負わせていただくことになった私たちの会社は、小谷さんにインタビューをする機会をいただきました。

初対面にも関わらず、その時の小谷さんは、なぜ文章を書くようになったのか、どのように言葉を紡ぎ出しているのか、根底にある想いなど、時折涙をにじませながらも心を開いて話してくださいました。

その時感じたのは、作品の言葉はもちろんのこと、話す言葉の中にも思わず聞き惚れてしまうほど人の心を動かす力があるということ。お話を伺いながら、何度鳥肌が立ったことか。そのお人柄にも、言葉にも、私の心はがっちりと掴まれたのでした。

小谷さんの入退院の様子を遠くで眺めながら

それから月日が経つこと約3年。いつかお店を開くならば、連載を小谷さんにお願いしたい。そんな密かな夢をもっていた私たちは、よりそう。を立ち上げることになります。小谷さんにぴったりのお願いしたい企画もある。いざ依頼をしようとしたところ、入院中であることを知りました。

なんてタイミングが悪いんだろうと悶々と悩み続けながらも、SNSを通じて様子を追いかけていた私たち。無事に退院してその後も言葉の発信を続けていることがわかったのですが、「このタイミングで連絡するなんて、空気読めてないよね」とウジウジ悩む私に夫がひと言。「断られてもいいから連絡してみたら?」と背中を押され、おずおずとメールを送ったのです。

すると小谷さんから「ぜひ」とのお返事が!もう飛び上がるほど嬉しかったことを覚えています。(軽く飛び上がっていたようにも思います。)

闘病中も書くことを辞めなかった小谷さん。ほそぼそとでも、小さな灯をともし続けてくれたからこそ、その灯に向かって私たちは歩み寄ることができたのです。

言葉と共に生きている人

連載を始めるにあたって、寄稿料の見積もりを出していただくよう依頼した時のこと、「書くこと」に値段をつける作業に悩む小谷さんの姿がありました。そして私たちから執筆時間を基準に寄稿料を決めてはどうかと打診したところ、小谷さんから返ってきたのはこんな答えでした。

「私にとっては『空気を吸う時間』を算出するようなもので、難しいのです」。

書くことは、小谷さんにとっては自己実現ではなく社会貢献に近いとのこと。そして、言葉を紡ぐことは、腰を据え直して向き合うことではなく、生きることとイコール。

作家・小谷ふみは、言葉と共に生きている人。

そんな方の編集者として関わらせていただくことになった私は、毎回届く原稿のファイルを開く時の気持ちは、贈り物のリボンを開く時と全く同じ感覚。こんな幸せな仕事があって良いものかと、小谷さんから受け取った言葉のギフトをウキウキしながら、もう一度丁寧に包み直してお客さまへ届けていました。

応援を仰ぐことが苦手な小谷さんが挑む
クラウドファンディングの道

一本目の連載「おやすみの前に」のやり取りの最中、既に小谷さんの心にも私たちの心にも同じ思いが浮かんでいました。それは、「ウェブだけでなく、紙で届けたい。」という思い。

ウェブの発信でどうしても心にひっかかるのは、言葉が流されているような感覚。本をつくることで、より深く言葉と向き合う時間を届けることができのでは、と。

そして連載三本目の終わりが見えてきた頃、ついに本づくりへ向けて動き始めました。クラウドファンディングという形で、制作にあたり応援を集めることに。

誰かへお願いすることが大の苦手な小谷さん。「私、基本的にはビビリなんで」。そう言いながらも、「私に足りないのは『覚悟』と『自信』だって言われたんです」と一歩を踏み出すことを決めます。

応援を仰ぐことに対して、不安に(恐らく)震えている小谷さんの姿を見ながら、私はふと思ったのです。もしかすると、このクラウドファンディングは「応援よろしくお願いします」ではないのかもと。

それならば、なんという言葉に言い換えることができるのだろう。本づくりに向けて、震える足で始まったこの歩みは、まだまだ続きます。

つづく

おすすめ

作家・小谷ふみさんの書籍を出版し、売上の10%を入院中の子どもたちを支える団体へ寄付するプロジェクトに向けた、クラウドファンティングを実施中です。こちらよりぜひ一度ご覧ください!


料理家cayocoさんが、春夏秋冬の旅を通じて人・食材・土地と出会い、その土地の保存食をバトンに食と人をつなぐ「food letters」、その旅とレシピ本の特典付き先行予約が始まりました!詳しくは、こちら


オンラインショップではよりそう。でしか買えないアートグッズやお花を取り揃えています。こちらよりぜひ一度ご覧ください!

この記事を書いた人:

よりそう。の店長。ウェブマガジンの編集長、オンラインショップの店長業務を担当。2014年から、夫でもある社長・高崎と共に、東京から福岡へ移り住む。海と山とあたたかな人に囲まれながら、息子二人の育児にも奮闘中。

  • Twitterでシェア
  • Facebookでシェア
  • はてなブックマーク
  • Pocket
  • Lineで送る

記事への感想を送る

いただいた言葉たちは、大切に読ませていただきますとともに、こちらの連載にてお返事させていただいております。

お名前 (必須)

メールアドレス (必須)

メッセージ

このフィールドは空のままにしてください。