こんにちは、店長の大浦です。
今年の4月から、我が家の長男は小学校一年生になり、新生活に切り替わってからもうすぐ4か月が経ちます。人生初の我が子の小学校生活。想像していた以上に私は壁にぶち当たってしまいまして、今日はそんな時に救われた本をご紹介したいと思います。
「かわいいと思えない」まで追い込まれて
何かがおかしい、と感じ始めたのは入学後一週間が過ぎた頃からでした。とにかく帰ってきてからの機嫌がものすごく悪い。些細なことで泣きわめき、怒りを家族にぶつけ、必ず終いには「僕はいなければいいんでしょ」「僕なんて生まれてこなければよかった」と自分を否定するような言葉を吐くのです。
正直この言葉を毎日突きつけられると、私自身も気が滅入ってしまい「まずい、この子をかわいいと思えない」という状況まで追い込まれてしまいました。
手渡されたのは、一冊の本
焦った私が駆け込んだ先は、次男が通っている保育園の先生の元。「子どもの自己肯定感を育てることが大切」といった旨が書かれた資料がお手紙の中に入っていたのと、元々先生方の保育方針に大きな信頼を寄せていたので、近況を話してみました。
先生から手渡されたのは、一冊の本でした。山崎房一著「ガミガミをやめれば子どもは伸びる」。この本を渡された日、私はもう貪るほど必死に言葉を追いかけました。
そして一気に力が抜けたのです。今まで「親」という上から目線で子どもに接していたことを恥じ、必要以上に「親にならないと」という責任感から”しつけ”としてその立場を子どもにも振りかざしていたことを痛感しました。
本から学んだ4つの教え
私の心に響いた、本からの学びを5つにまとめてみました。
- 子どもには「友情」で接する。親子関係は、人と人との関係である。
- 「愛」は名詞ではなく動詞。存在しているのではなく、創造されるもの。
- 子どもには優しくするだけで良い。
- 過去は無価値。これまでの言動を悔いたり、とらわれる必要はない。
- 今日の自分で100点満点。怒ったことも手抜きのごはんも、罪悪感はいらない。
溢れんばかりの母性ではなく、自分と子供をフラットに見て「友情」で接すればいい、という関わり方のヒントは「あ、それならわかる、できる」と腑に落ちました。例えば「友人に対してなら、こういう場合どんな言葉をかけるかな?」と一旦頭で考えてから子どもに伝えると、驚くほどに子どもは素直に聞いてくれるのです。
「あなたが世界で一番大好きよ」を言い続ける
そして「優しくするだけでいい」というシンプルな答えは、正直それが難しくもあるのですが、園長先生からもこんな言葉をかけるだけで良いと教えてもらいました。
「あなたが世界で一番大好きよ」
この言葉を言い続けてください、と。長男の場合は、特に次男がいない場所でこの言葉を伝える必要があるとのことで、登下校の送り迎えやお風呂時間、寝る前のお布団の中などで言い続けました。この言葉を伝える時、息子は決まってこう返してくれるのです。
「僕もママが世界で一番大好き」
慣れない新しい生活の中で、緊張や不安と戦っている小さな存在を思うと、胸が痛みます。小学校に入ることが、こんなにもハードルが高いことだとは想像していませんでした。
子育てとは、自分の未熟さを突きつけられること
本の教えを時に忘れながらも、日々実践していくことで息子は少しずつですが落ち着いてきたように思います。それでもまだ心が不安定になる時があり、それに対して私も心に余裕がなくて家の中が大荒れになる日もあります。けれどきっと前進はしている。そう、実感しています。
子どもと暮らす、生きるということは、自分の心の未熟さと器の小ささを痛いほどに突きつけられることでもあります。だからこそ、自分の中だけで解決しようとするのではなく、積極的に周りに学ぼうと私は思うのです。
自分と家族が優しく生きるためのヒントは、自分たちで見つけていくことも大切だけど、誰かから分けてもらってもいいじゃないか、と。
そしてこんな私の不格好な奮闘記がみなさまにとっても、小さなおすそわけになりますように。今日の私もあなたも100点満点、です。
館内放送
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