歌うお菓子屋「iplikana」

歌とお菓子が大好きだった女の子が、一人でお店を開くまで。ーiplikanaさんインタビュー(上)

「歌うお菓子屋さん」iplikanaさんの歌声とお菓子の内容についてはこちら。

当店にてお取り扱いが始まった、iplikanaの七色のクッキーボックス。お菓子をつくってくださったiplikanaさんはミュージシャンという一面をもつ「歌うお菓子屋さん」。そのはじまりの物語について店長大浦がお話を伺いました。朝日が窓から気持ちよく差し込んでくるアトリエで、二人の会話が始まります。

 「人にあげたくて」がお菓子づくりの出発点


大浦:まずはお菓子づくりのきっかけから教えていただけますか?
 周りから「おいしい」と言われたことが動機になっているとか。

iplikana:趣味としては、子どもの頃にお母さんと一緒に作ったのがはじまりです。
小学生の頃、友だちとのクリスマス会でプレゼント交換をする時、私はチョコチップクッキーを作ったんですけど、当たった子がすごく喜んでくれていたのをよく覚えています。

大浦:そんなに強く記憶が残っているんですね。iplikanaさんのお菓子づくりは完全に独学なんですよね?

iplikana:そうですね。レシピ本を見て作っていました。

大浦:どんなレシピ本を読んでいたんですか?この作家さんのお菓子が好き!というのはありますか?

iplikana:作家さんにこだわりはなくて、本屋さんでおいしそうな写真を見て選んでいました。普通の人と変わらない選び方です。

大浦:iplikanaさんが惹かれるお菓子ってどんなお菓子なんですか?

iplikana:最初はクッキー系でした。なぜなら、人にあげたくて。持ち運びやすい、日持ちしやすいクッキー系をよく作っていました。

大浦:「人にあげたくて」が出発点なんですね。

お菓子を介して人とつながる、
iplikanaの原点は小学生時代

大浦:これまでどんなシーンでどんな人にあげてきたんですか?

iplikana:友だちの誕生日はだいたいあげていましたね。私が趣味で作っていることも周りの友だちは知っていたので。

大浦:有名になるほど作ってたんですか!

iplikana:田舎で他にやることがなかったんです(笑)。出身は愛知県なのですが、名古屋よりもっと田舎のところで、田んぼに囲まれていて、コンビニも自転車で相当漕がないとないような場所です。
遊びに行くところがないから、学校から帰ったらまずはピアノを弾いたり、今日はお菓子何作ろうかな~って考えたり。本に載っているようなお菓子を食べてみたいけれど味がわからない。しかも田舎だからそんなお菓子が売っているお店はなくて、それなら自分で作ってみてしまえと。

大浦:日々作っていたんですか?そうすると、これまでの人生相当作ってきているってことですね。

iplikana:そうですね。小学生の頃の幼なじみは、私と同じでお菓子を作るのが好きで、その子とお菓子交換の日を作ったりもしてました。

大浦:楽しそう!素敵な思い出ですね。

iplikana:あとは、友だちの家に何人かで集まって、それぞれが持っている料理本を持ち寄って、みんなで料理したりお菓子を作ったり、ホームパーティみたいなものもしてました。私は食べることが昔から好きで、友だちとそういうイベントをよくやっていました。

大浦:自分一人で完結するのではなく、誰かとお菓子を介して繋がったりしてたってことは、現在のiplikanaの「結びつき、つなぐ」というコンセプトと似たようなことを小さい頃からやっていたってことなんですね。

iplikana:そうですね。自然とやっていたのかもしれません。

お菓子づくりをやめるという選択肢はなかった

大浦:職業としてお菓子屋さんになるまでは、いろいろな道を歩んできたんですよね。

iplikana:いろいろやりましたね。カフェをやったり会社員として勤めたり。周りの人によく言われるのが「いい意味でも悪い意味でも行動力がいい」と。私は考えずにすぐ行動しちゃうところがあって、何か違和感を感じたりするとすぐに次へ進むべき道を考えたりして。だけど一つ一つに後悔はなくて、その時その時で一番楽しいと感じることをしてきました。

大浦:次へ向かう先ってどうみつけていくんですか?

iplikana:元々好奇心が強くて、常に何かを考えているんです。ぼーっとしている時がないというか。

大浦:興味の対象の広さって、どういったものですか?

iplikana:映画、音楽、舞台とか。例えば小説を読んでいて、ふと「あの映画に似ているな」って思いだしたらその映画を見たり。何かの連鎖でどんどん思い浮かんだものをやるタイプです。
今日何しようって常に考えているから、頭が疲れて糖分を欲しているのかもしれません!(笑)

大浦:だからお菓子を作っているんですか!(笑)アクティブですね~。

iplikana:見た目より大胆だね、とはよく言われます。だから周りの人の方が衝撃が大きいみたいで。

大浦:iplikanaの活動もそうですか?

iplikana:そうですね。前に勤めていたお菓子屋さんを辞めてから1年経ってここをオープンしたので。

現在のアトリエとの出会いは、人との結びつきから

大浦:前職のお店を辞めた後、iplikanaさんは未来をどう見据えていたんですか?

iplikana:辞める日が決まってからは、漠然とどうしていこうかなあと考えていて。今までお菓子づくりで人と繋がっていたから、お菓子作りをやめるという選択肢はなかったです。地元に戻ってくるか、という話もあったんですけど、東京で出会った人が多かったので、一人になってもここでやっていきたいと思っていました。

私の知り合いはものづくりをしている人が多くて、その人たちと前のお店の時からコラボ企画をしたりして、それは引き続きやりたいなあと思っていて。やるには場所が必要だけど、お店を最初から一人でやることは大変だとわかっていたので、現実的ではないなあと。

なので最初は工房だけを借りて、イベントは知り合いのお店でできればいいなと思ったんです。まずはお菓子作りができる工房探しをしようって。

そんな時たまたま、このアトリエの内装を手掛けた方が知り合いで、この場所を紹介をしてくれたんです。以前の借主さんに私の話をしたら時間貸しをしてくれると。

すごく嬉しいお話で、ここで作りながらイベントに出店できるようになりました。早い段階でつくれる場所があったのは大きかったです。

大浦:それでこの建物自体をお借りするようになったんですか。

iplikana:はい。ちょうど以前の借主さんが引越しをされるとのことで、この場所の良さを引き継いでくれる人に譲りたいとお話をいただきました。

大浦:この場所に巡り合うまでも、まさにiplikanaのコンセプト「結びつき」なんですね。

つづく

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この記事を書いた人:

よりそう。の店長。ウェブマガジンの編集長、オンラインショップの店長業務を担当。2014年から、夫でもある社長・高崎と共に、東京から福岡へ移り住む。海と山とあたたかな人に囲まれながら、息子二人の育児にも奮闘中。

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