オーウラマイの本音でドン!

渡り鳥だって羽を休めているのに。

 先月のある週末のこと、友人に誘われて焚き火をしてきました。東京の町中で焚き火をしたものならば、恐らく注意をされるか、通報される危険性もありますよね。そんな心配もなく、気軽に焚き火を楽しめる場所があるというのは、贅沢な環境だなあと改めて感じました。

なんでもない休日が特別な休日に

焚き火の場所は、みんなの木工房「テノ森」の大きなお庭。テノ森さんは、カトラリー、時計、お皿といった雑貨から、ちゃぶ台、椅子、学習机といった大きな家具までを作ることができたりと、多種多様な講習が日々開かれています。工房では、講習を受けるだけでなく貸し工房としても、木のものづくりをしたい人たちへと開かれています。以前、私もここでダイニングテーブル作りをしたことがあり、時間と心と体を注ぐものづくりの体験は、鮮明に記憶に刻まれました。

りんご、さつまいも、マシュマロ。焚き火で焼くと、普段の何倍も美味しくなってしまうのはなぜでしょう。冬の空気と、仲間の笑い声と、薪がはぜる音に包まれて、なんでもない休日が特別な休日になったように感じます。

渡り鳥は、いつ休んでいるのか

その日があまりにも心に染み渡ったせいか、その時に友人から教えてもらった話が私の中でしばらく響いていました。それは渡り鳥の話。

私の住んでいる福津市の津屋崎という町には、大きな干潟があります。そこには冬になるとロシアの方からカモなどの渡り鳥がやってくるのだそう。鳥に詳しい友人いわく、渡り鳥は一度に長距離を飛ぶわけではなく、朝か夜か羽を休めているとのこと。

私は広い海を渡ってくるイメージでいたので、途中に休むことなく飛び続けて大変だなあなんていう心配をしていたのですが、やはり休んでいることを知りホッと安心しました。

そして、ふと人間の暮らしについても思ったのです。仕事や家事に日々追われて忙しく動いている私たちは、羽を休めず飛び続けている鳥のようだなあ、と。

渡り鳥たちも、海の上や、時には浮遊物の上、マストの上、あるいは木を探して休んでいたりするけれども、私たちは羽がボロボロになってしまうほど飛び続けていないだろうか。毎日身体は休ませているけれど、心はどこで休めればいいのだろう。と。

訪れる人の、心の止まり木になれれば

この青空公民館も、心が疲れた時、寂しい時、苦しい時、羽を休めることができる止まり木になれればいいなあと思っています。目指しているのは、誰かにとっての居場所になれること。渡り鳥の話を聞いて、毎日一生懸命飛び続けている心に寄り添う場所になりたいと、強く思いました。

ああ、羽を休めたいなあ。そんな気持ちになった時に、ぜひふらりと立ち寄ってくださいね。まだまだ寒い日が続くので、焚き火で淹れたあたたかいコーヒーを手渡すような気持ちで、お待ちしています。

館内放送

心がひとりぼっちになった時、そっと言葉で明かりを灯してくれる本、当館オリジナル、作家小谷ふみ著書「よりそうつきひ」が発売となりました(ご購入はこちらから)。
どこか切なくて、寂しくて、愛しくて、ホッとする。なんでもない一日を胸に焼き付けたくなるようなショートエッセイが束ねられた短編集です。読んでいると大切な人の顔が心に浮かんでくる世界が広がっています。
料理家cayocoさんが、春夏秋冬の旅を通じて人・食材・土地と出会い、その土地の保存食をバトンに食と人をつなぐ「food letters」、その旅とレシピ本の特典付き先行予約が始まりました!詳しくは、こちら
メルマガ好評配信中です。こちらよりぜひご登録ください!

この記事を書いた人:

「よりそう。」館長。時として編集長に変身し、ライターとして駆け回り、ドローンも飛ばしちゃいながら、訪れるみなさんをお出迎えします。好きな本は、稲葉俊郎『いのちを呼びさますもの』。好きな料理は、さつまいも料理。
  • Twitterでシェア
  • Facebookでシェア
  • はてなブックマーク
  • Pocket
  • Lineで送る

記事への感想を送る

いただいた言葉たちは、大切に読ませていただきますとともに、こちらの連載にてお返事させていただいております。

お名前 (必須)

メールアドレス (必須)

メッセージ