他己紹介

紡ぎ屋・都郷なび

non-standard worldに関わる方、素敵だと思う方を他己紹介させていただくブログ企画、第二弾の今回は、福岡県の津屋崎という海沿いの小さなまちで暮らす、紡ぎ屋・都郷なびさんをご紹介します。

なびさんは、2009年に津屋崎に移り住み、NPO法人地域交流センター津屋崎ブランチの一員としてまちづくりの活動を行いながら、翌年に紡ぎ屋を立ち上げました。紡ぎ屋は「対話のある暮らしから生まれるものを形にすること」をコンセプトに、五つのことを仕事として生み出しています。「聴き書き本を作る」「写真を撮る」「料理を作る」「結婚式を作る」「旅を企画する」。一般的にみると、ライター、写真家、料理家、ウエディングプランナー、ツアーコンダクターといった異なる職業を掛け持っているかのようですが、紡ぎ屋はどの肩書きにも当てはまらないのではないかと思います。

「私が日常の中で大切にしていることは、仲間や訪れてきてくれる方と対話の時間をもつこと」となびさんは言います。これは仕事の中でも恐らく同じで、「お客様」と接するのではなく、一人の「ひと」として、向き合い、問いかけ、見つめてくれる人だと思います。
実際に話してみると、まず声がいいんです。繊細で優しくて、でもしっかりと心に届く声。そして一つ一つの言葉をとても大切にする人でもあります。なびさんが話したり書いたりする言葉は、生きている感じがします。撮る写真や作る料理も同じです。たぶんそれは、人に対しても、被写体に対しても、野菜や器に対しても、丁寧に向き合っているからではないかなと思います。

私(大浦)がいつも津屋崎に行ったり、なびさんに会ったときに感じることは、日々の暮らしが愛しくなり、丁寧に生きていきたい、という気持ちが湧いてくることです。これは毎回必ず帰り道に思うこと。といっても、日々の子育てや家事に追われていると手抜きもあり、雑になり、次第にイライラもたまり、となっていくのですが、きれいな夕日を家の窓からふと見たとき、津屋崎となびさんを思い出し(津屋崎の海ではきれいな夕陽がみれます)、自分を囲んでいるものが急に大切に感じてきて、また丁寧に生きよう、と思うのです。

五つの仕事をもつという「複業」のかたちは、雇われない働き方としてとても理想的だなとも思います。メイン、サブという仕事のもち方ではなく、マルチな仕事をもつということ。一昔前の日本では、洋服や布団は母親が作っていたり、自分の畑で野菜を収穫していたり、子どものおもちゃや机を父親が作ってくれたり、みんなマルチな仕事や能力をもっていたのかもしれません。一つの仕事に従事するのではなく、複数の仕事に従事することは、自然な形なのかもしれませんね。

6月21日からは、「都郷なびの聴き書き本づくり つくり手育成講座」が津屋崎にて開かれます。聴き書き本づくりという仕事について以前話しを聞いたとき、私もいつか両親について書いてほしいと思いました。近くにいても、遠くにいても、家族との「会話」は簡単だけど、「対話」は難しいものです。聴き書き本づくり、という仕事が広まったら、絡まっている家族の糸を少しほぐすことができるような、そしてそれを紡ぎ直すような、そんなきっかけづくりが日本の色々なところでぽつぽつと生まれるのではと思います。と同時に、そんな社会になってほしいとも願います。

博多から電車で30分、福岡に行くことがある際にはぜひ津屋崎に、そして紡ぎ屋を訪ねてみてください。きっとその帰り道には、目に見えない贈り物を受け取っていることに気がつくはずです。

紡ぎ屋 ウェブサイト

http://1000gen.com/tsumugiya/

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この記事を書いた人:

よりそう。の店長。ウェブマガジンの編集長、オンラインショップの店長業務を担当。2014年から、夫でもある社長・高崎と共に、東京から福岡へ移り住む。海と山とあたたかな人に囲まれながら、息子二人の育児にも奮闘中。

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