おやすみの前に

【おやすみの前に】「わざわざ書き残すほどのことじゃないこと」 の繰り返しで、 毎日はできている。

わざわざ

トイレで携帯電話を失くして、
翌日なぜかやや離れた町から戻ってきたけど、
その流れでそのまま新しい携帯電話を、
手に入れることになった。

今回新しくした携帯電話はちょっと便利で新機能。
書きたいことを、書きたい時に、
ひょいと電波という風に乗せる手助けをしてくれる。

ずいぶんと書きそびれてしまったことがあるけど、
毎日、毎日、何もない日なんてないから、
今日の小さいできごとを、ひとことでも、残しておく。

ある雨の日、
その日はじめて人と交わした会話が、
「すいません、それ僕の傘です…」だったこと。

バスの中、
「お母さん、頭にアリが歩いているよ」
相変わらず、大きな声で教えてくれること。

玄関を出たら、
鈴虫が、三三七拍子を刻んで送り出してくれたこと。

最近一日で牛乳一本飲み干す息子に、
「ぼくはこんなに牛乳が好きなのに、
どうして牛の子どもじゃないんだろう?」
と聞かれたこと。

わざわざ書き残すほどのことじゃないけど、
「わざわざ書き残すほどのことじゃないこと」
の繰り返しで、
毎日はできている。

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この記事を書いた人:

もの書き。夫と息子とリクガメと、川沿いの丘の上で暮らす。 日常や世界、音楽や時間を、詩・エッセイ・翻訳にのせて。 代表作「やがて森になる」「月の光」。カレンダー「言葉なきものたちの12ヶ月」 他『扉の言葉』を書いたり、『名まえ』をつけたり。

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