おやすみの前に

【おやすみの前に】「言葉を交わす」とは、互いの心に「絵を描き合う」よう。

「今から読み上げるものを、紙に かいて ください。」
そして、
ある風景の描写が読み上げられた。

「星がひとつ、空から降ってきました…」

そして、それを聞きながら、
ある人は 読み上げられた通りの、文を『書いた』。
ある人は 読み上げられた通りに、絵を『描いた』。

「かいてください」の、たったひと言でも、
言葉は姿を変えながら、
発した人の元から離れ、受け手へと伝わっていく。

そして、
発する側と受け取る側の「ギャップ」を埋めるもの、
それは「会話」なのだと、降る星が教えてくれる。

「言葉を交わす」とは、
互いの心に「絵を描き合う」よう。
相手の心に何か描き、残すことはたやすいことじゃない。

一生懸命、描こうとするけれど、
空から降る星の位置が微妙に違ったり。

自分の絵の具が足りなかったり、
相手の心に紙が用意されていなかったり。

強く描きすぎて芯が折れてしまったり、
せっかく描いた絵が薄くなり消えてしまったり。

同じ星が降ることはない。

だけど、
互いに描くのをやめてしまわなければ。

明日は、今日より、
少し、近づけるかもしれない。

hoshi

この記事を書いた人:

もの書き。夫と息子とリクガメと、川沿いの丘の上で暮らす。 日常や世界、音楽や時間を、詩・エッセイ・翻訳にのせて。 代表作「やがて森になる」「月の光」。カレンダー「言葉なきものたちの12ヶ月」 他『扉の言葉』を書いたり、『名まえ』をつけたり。

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