石垣島移住日記

東京から石垣島へ移住した魚譜画家・長嶋祐成さんに聞く移住のリアル。(前編)

今年の夏にお届けした魚譜画家・長嶋祐成さんの連載「石垣島移住日記」。この公開に合わせてお知らせした、読者参加型企画・長嶋さんへの質問募集に関しては、ご参加いただいた皆様ありがとうございました!

お客さまから集まった質問を元に、店長の大浦が長嶋さんへインタビューをしましたので、その様子を対談形式でお届けしたいと思います。お聞きしたのは、石垣島の暮らしまわりのお話や、石垣島の自然に対して想うこと。そして、同じ東京からの地方へ移り住んだ人間としても、お互いに想いを交わしました。

一日のはじまりは、海で何に会いたいかを考える

大浦
まずは、石垣島へ移住してから、毎日何をして過ごしているかを教えてください。

長嶋
特に言うこともないくらいに普通の暮らしです。海に関しては、選択肢があって、その日に海へ行くか、行く場合は釣りをするのか海へ潜るのか、釣りをする場合は早朝か夕方か、潜る時はどの場所で何をみたいか、を考えます。

大浦
一日の始まりは、今日は海でいつ何をするかを考えるってことですか?

長嶋
はい。何に会いたいってことですね。

大浦
その日の気分とか天気によっても変わったりするんですか?

長嶋
絵を描く時はやっぱり釣りが一番良いです。手に取ったり、手の上で写真を撮ったり、泳がせてみたり色々できるから。でも釣りって確率が低いから、必ずしも見たいものが釣れるわけではないんです。だから釣りが一番なんだけど、確率を考えると潜らないといけないっていう強迫観念があって…

大浦
強迫観念ですか?(笑)

長嶋
やっぱり海の中で生きている魚を見れる今の環境は、恵まれていると思いますから。もちろんその日の体調とか気分とかにもよります。今日は海こわいなっていう日もありますし。曇っているだけで、ぼく怖いんです(笑)。

石垣島は生き物も違えば、食も違う

大浦
海以外の生活は、仕事をしたり家のことをしたりですか?

長嶋
はい、家を片付けています。放っておくとヤモリの糞だらけになったり、すぐ砂っぽくざらざらするんです。家が一人で住むには広いので掃除が大変で。庭も雑草でボーボーになったり。一番苦手なところだから、つい後回しになっています。

大浦
家事をするだけでなく、家のメンテナンスのような仕事も発生するんですね。買い物とかはどうしてますか?

長嶋
買い物は、週に1回か2回、街に出て…

大浦
街に出る?(笑)

長嶋
同じ集落には、生活用品が売られている店は何もなくて、まともに買い物をしようと思ったら街に出るしかないんです。

大浦
一番近いコンビニはどのくらい離れているんですか?

長嶋
バスだと1時間くらいですね。

大浦
そんなにかかるんですか!自然のど真ん中で暮らしているんですね。土地のものでおいしかったものはありますか?

長嶋
すっごくうまいな~っていうのが、一番は四角豆です。

大浦
シカクマメ…?

長嶋
四角いんです、豆が!とってきます!(といってどこかへ走り出す長嶋さん)

大浦
あ、家にあるんですね!(笑)

長嶋
(四角豆を見せながら)断面が四角いんです。見た目は繊維っぽい感じですが、すごく美味しくて、雰囲気としては絹さやをもっと分厚くして、キシキシする歯ざわりがなくなった感じです。すんごくうまい!

大浦
柔らかいんですか?

長嶋
ザクザクした感じです。あとはモーウィ-。こっちの名前なんですけど、きゅうりを茶色くして太くした野菜です。きゅうりほど青臭くなくて、歯ごたえがあって滑らか。

大浦
へ~!生き物も違えば、食も違うんですね。面白いです!

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サンゴ礁に住む魚たち、オールスターに出会える海

大浦
石垣島の穴場スポットについてを教えてほしいという質問もありました。

長嶋
うーん、難しいですね。逆にぼくは本とか見たことがないんですよ。

大浦
ガイドブックはもっていないんですか?

長嶋
もっていません。

大浦
えええ!?私なんか、福岡のガイドブックすっごい読んでますよ。

長嶋
ガイドブックもネットすら見てなくて、どこが穴場でどこがメジャーかわからないんです。行き先はいつもGoogle Mapsの航空写真で決めています。

大浦
航空写真でわかるんですか?

長嶋
サンゴ礁の様子とかわかるんです。何が面白いって、サンゴ礁が終わる際のところが面白くて。急に崖みたいになっているんです。空飛ぶような感覚。

潮が引いている時というのは、腹ばいになってもサンゴ礁の上をお腹がするくらいしか水深がないんです。そしてサンゴ礁の終わりまでいくと、急に10メートルくらい崖になっていて、透明度の高い場所だと本当に空を飛んでいる感覚になります。

大浦
空の上から街とかを眺める感覚ですね。

長嶋
マンションの4階と同じくらいの高さだと思います。そういう場所は魚も大きいし、楽しくて。サンゴ礁の話しをしておきながら、話しを戻すと、穴場は別にあって…

大浦
え!違うんですか?(笑)

長嶋
はい(笑)。今までで一番良かったのは平久保崎という場所です。サンゴが生きていて、すごくきれいなんです。そこは灯台があって夕陽も見れたりと、観光スポットとしてはベタなんですが、展望台からはすぐに潜れないんです。ぼくの場合は、ちょっと離れたところから回り込んでその辺りの海に入っています。

大浦
きれいなんでしょうね~。

長嶋
オールスターって感じですね。海ごとに魚の種類のばらつきがあるんですが、そこは海のサンゴ礁のあらゆる魚たちがいます。釣られていないから、サイズも大きいんです。

大浦
こういう世界に日々接していると、感覚はどうなるんですか?だんだん慣れてきてしまうものですか?

長嶋
確かにリーフの空飛ぶ感覚はちょっと薄くなりましたが、海に行くと、特に潜ると一回は必ず発見があるので、今のところは飽きていません。

大浦
海って生き物が3Dで動いているじゃないですか。その都度その都度でいろんな風景が見えたり、いろんな生き物との出会いがあるんでしょうね。

長嶋
多様性の密度というか。広さも桁違いです。

大浦
そう、桁違いですよね。水族館へ行っても思います。海の中の世界って、人間ではどうやってもこえることのできない別世界。その壮大なスケールに圧倒されて、自分がちっぽけだなあって感じます。

つづく


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この記事を書いた人:

よりそう。の店長。ウェブマガジンの編集長、オンラインショップの店長業務を担当。2014年から、夫でもある社長・高崎と共に、東京から福岡へ移り住む。海と山とあたたかな人に囲まれながら、息子二人の育児にも奮闘中。

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いただいた言葉たちは、大切に読ませていただきますとともに、こちらの連載にてお返事させていただいております。

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