わたしたちの体験ノート

【わたしたちの体験ノート】日常生活をちょっとリセット。自然の息吹を肌で感じたくなったら、キャンプに行こう(天野編)

昨日の記事(大浦編)でお伝えしていたように、今年のGWの終わりに近い日、当店スタッフ高崎(大浦)家と私たち天野家で、二家族合同ファミリーキャンプに行ってまいりました。それからしばらくの時が経ちましたが、我が家の長男は今回のキャンプが心底楽しかったようで、キャンプ翌日からほぼ毎日「このまえと同じキャンプ場の同じバンガローにまいちゃん(大浦のこと)たちと行こう!明日か明後日!」と言っています。

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アウトドア初挑戦でも無理なく楽しめるキャンプを計画しよう!

今回は、キャンプ初体験、アウトドアにもあまり馴染みがないという高崎(大浦)家をお連れするキャンプ。しかも両家共に1歳児を抱えているので、移動にしても、料理にしても、寝ることにしても、無理せず、気負わず、かつ楽しめることを、第一に考えプランしました。

今回は飲むこと食べることは、極々シンプルに、子供が喜ぶもの、食べやすいものを考え、宿泊は無理せずお布団を借り、バンガローで。場所も都内からの移動が大変でない奥多摩を選びました。温泉の寄り道も、今回は残念ながらパス!薪で火を焚いて、みんなで囲んで、簡単な料理をして食べ、子供たちを自由にめいっぱい遊ばせて、大人も一緒にたくさん遊んで、夜はなるべくちゃんと寝よう!そうして欲を出さず、シンプルにプランしたからこそ、より深く味わえたことがたくさんあったように思います。

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嵐の予報はどこへやら。眩しいほどの新緑と、最高のお天気に恵まれた一泊二日。

出発の日。直前までの嵐が嘘のように晴れ渡り、直射日光が容赦なく肌を射す、初夏のような見事な晴れ空となりました。しかし、出発前々日、大浦からは「当日は嵐みたいだけど、ほんとにキャンプ行きますか?」と若干弱気なメッセージが届くほど、天気予報では見事に雨、というか、嵐を予報されていたのです。

予想外の晴天のおかげで、その一泊二日は、たっぷり川遊びや満天の星空を楽しむことが出来ました。川の流れには前日までの雨で十分な水量があり、強い日差しがキラキラと水面に輝いていました。そして360度どこを向いても、新緑が、たっぷりの雨の後の陽を浴びて、元気いっぱいに伸びている様子が見えました。

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あまのじゃく?雨風に打たれる嵐のキャンプも興味あり。その訳は・・・。

しかし、実は私は密かに嵐のキャンプにちょっとだけ興味がありました。雨粒がバンガローの薄い屋根や窓を叩き、強い風が背の高い木々の枝を揺らす、そんな音たちの中で過ごす時間って、どんな感じだろう?と。「無理せず、気負わず、かつ楽しめる」という今回一番大事な点からは外れるのですが・・・。

それは、私が大切にしている一冊の本の影響でもあります。『沈黙の春』で有名なアメリカの作家、レイチェル・カールソンによる『センス・オブ・ワンダー』という本をご存知でしょうか。彼女の生涯最後の著書となったこの本。冒頭部分にこんな文章があります。

「ある秋の嵐の夜、わたしは一歳八ヶ月になったばかりの甥のロジャーを毛布にくるんで、雨の降る暗闇のなかを海岸へおりていきました。
海辺には大きな波の音がとどろきわたり、白い波頭がさけび声をあげてはくずれ、波しぶきを投げつけてきます。わたしたちは、真っ暗な嵐の夜に、広大な海と陸との境界に立ちすくんでいたのです。
そのとき、不思議なことにわたしたちは、心の底から湧きあがるよろこびに満たされて、いっしょに笑い声をあげていました。」

またこんな文章もあります。

「わたしたちは、嵐の日も、おだやかな日も、夜も昼も探検にでかけていきます。それはなにかを教えるためにではなく、いっしょに楽しむためなのです。」

嵐の夜、幼い子供を毛布に包んで海に連れていくなんて、端から見たら通報したくなるレベルです。そこで二人ではしゃいで笑い声を上げていたのですから、少なくとも訝しげに見られることは間違いないでしょう。でも、これ、実はすごく身に覚えがあるんです・・・。

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幼い頃、台風の後で見た、感じた圧倒的な自然の力。興奮と共に心の奥底からワッハッハ!と笑いが込み上げる!

子供の頃、大きな台風の後、母がドライブに連れて行ってくれたことがありました。普段はチョロチョロとしか流れていない川が、黄土色の濁流となってものすごい迫力で流れているのを見せてくれたんです。もちろん、暴風の時ではなく、風がおさまって安全に移動できるタイミングでのドライブでしたが。危険だと言って冷ややかな目線を送る父をよそに、これがすごく面白くて、母も私も弟も、興奮して何が面白いのか、声を上げて笑った記憶があります。初めて見た川の様子に驚き、自然の力に圧倒され、興奮と共に、「ワッハッハ!」という太い笑いが心の奥底から湧き上がってきたのです。目の前の自然の力強さ、そのエネルギーを全身で受け、共鳴した身体が、笑い声という形で発散させたかのような、そんな体験でした。それでなんだかこの本の著者にも共感してしまうのです。
キャンプに来るとき、いつもこの大好きな本に描かれている感性を思い出します。そして、キャンプが大好きな私たち夫婦らしく、子供には「センス・オブ・ワンダー教育」(この本にあやかって、自然の美しいもの、未知なもの、神秘的なものを敬い、目をみはる感性を育む)をしたいね、と、夫とはよく話をしています。

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日常からちょっと離れ、自然の息吹を肌で感じたい。そんな時こそキャンプ。

晴れの天気は人間には都合が良いけれど。でも、自然にはいろんな表情がある。時には人の生活を全て拭い去ってしまうほどに乱暴だということも忘れたわけではなく。だから、いつでもキャッキャと喜んで受け入れる必要はないけれど、「雨、やだなー」「晴れててラッキー」だけではなく、雨を感じてみること、風を感じてみること、そういう体験も、いつかキャンプでしてみたいです(もちろん、危険については十分考慮した上で、ですが)。自然の息吹を身に纏っていると言えるくらい、直接的に感じられるキャンプだからこそ、体験してみたいものです。

とは言いつつも、現実は「無理せず、気負わず、かつ楽しめる」が今回のテーマでしたから。日頃の行いが良かったので(ということにして、さりげなく日々の頑張りを労いたいと思います)、その目的を達成するのに最適なお天気に恵まれた私たちでした。
キャンプ、必ずしもいろんな道具を揃えていなくても、詳しいノウハウが無くても、楽しめる所がたくさんあります。キャンプ未経験の方も、もし興味が湧いてきたならば、この夏はぜひ「えいっ!」と挑戦してみてはいかがでしょうか。きっと、自然の懐深くに包まれるような感覚を肌で感じることができると思います。身体も心もリフレッシュして、日常生活をちょっとリセットするのにも役立つはずですよ。

今回ご紹介した本:センス・オブ・ワンダー

この記事を書いた人:

東京都生まれ。思春期に米国NY州で数年間を過ごす。 博物館学芸員アシスタント、外資系企業での職務を経て、現在子育てをしながら、少しずつ文章を書いたり、絵を描いたりしている。
素朴で丁寧な暮らしに憧れ、骨董品や器を見るのが好き。夫の影響でキャンプなどのアウトドアも好き。
英検一級、学芸員資格を持つ。横浜在住。 日常のなかにあるちょっとした美しいもの、ことを、文章や絵にしてお届け担当。普段は妻・母として、夫と長男、長女の四人家族を支えているような、支えられているような。

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