大浦麻衣の「今日も人が好き」

【今日も人が好き】穏やかで優しい「樹」のようなスタッフ天野のこと。

初対面の印象は「合うな」という勘

出会いは3年前の初夏。まだ私が東京で暮らしていた時のこと。

津屋崎で出会った友人の木村航くんから、東京でイベントをするので来ないか、という誘いを受け、私と夫の高崎は港区芝の三田の家で開催される「食と生きることを語り合う―福岡・津屋崎の米と野菜をいただく会ー」へと足を運ぶことに。その時、引きあわせてもらったのが、天野でした。

子どもが同い年であること。同じ区に住んでいること。共通点はいくつかありつつ、初対面の印象は「合うな」という私の人間観察における嗅覚のようなものが働きました。その勘はやはり当たり、電車オタクの息子たちが意気投合するのと同じく、私たちも(私の片思いかもしれませんが、、)長くお付き合いする友人になるんだろうな、という確信をすぐにもったことを覚えています。

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すっとしていて、穏やかな優しさが滲みでている人

「これまでずっと、木がある場所に住みたいと思ってきたの。」

いつかそんなことを話してくれた天野。今、住んでいる場所も、東京とは思えないほど森のような場所のすぐ近く。秋になると、落ち葉にまみれながら子どもたちを遊ばせたことも。天野が纏っている雰囲気というものも、どこか「樹」に似ているように思います。

すっとしていて、穏やかな優しさが滲みでるような人。

運良く子どもたちが同じタイミングでベビカーで寝てくれた時のこと。吉祥寺の駅ビルのカフェで、お互いの思春期の話をしました。多感な年頃に、東京からアメリカに渡り、またアメリカから東京に戻ってきた経験をもつ天野。ただでさえ、自分と自分の周りの世界との関わり方で思い悩み、傷つく年頃なのに、どれだけ心を激しく動かしてきたのだろうかと。

きっと、私が簡単に想像できるような経験ではないだろうけれど、そういった道を歩んできたからこそ、表現できる言葉や、絵や、纏っている空気というものがあるように思います。

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美術の血を脈々と継いでいる姿に惹きつけられて

3月に行った合宿でも、自分のことを「暗い」と堂々と話していた姿がありました。それは、幼い頃に好きだった絵本の紹介と共に出てきた言葉。たしかに、この絵本、子供向けとはいえなんだか心を不安にさせるような色使いと雰囲気。でもやっぱり私も、この絵本が好き、と思ったのです。

明るいと暗いでいったら、負のイメージをもつ暗いという言葉。けれども、真っ暗な夜に見える柔らかな蛍の光や、電気を消した部屋で見るキャンドルの灯の揺らめきは、真夏の太陽の日差しでは代用できないようなものが、間違いなくあるように思います。

天野は、幼いころから美術に触れてきた経験の持ち主でもあります。そして、幼い頃の記憶を鮮明な状態で胸の中に納めてきた人でもあります。なんせ小学校4年生の時に、はじめて自分で行きたいと言った美術展の図録を今でももっているほど。私の4年生の頃なんて、少女漫画に夢中になっていたというのに、大違いです(笑)。画家のお祖父さんの影響をはじめ、美術の血を脈々と継いできているように見える、その姿。ふとした言葉の選び方や、会話に取り上げる話題を通じて、その姿がちらちらと見えるから、より一層私は天野さえかという人物へと惹きつけられたのかもしれません。

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スタッフ採用基準の一つ。つまりは、一緒に働きたいと思える人の基準。それは、空港で予定していた飛行機が飛ばなくなった時、何時間でも一緒に空港で待っていられる人。そんなことを高崎から教えてもらったことがあります。

天野と一緒に働きたい。その理由は「何時間でも一緒に空港にいられます。いたいんです!」。そんな想いが出発点にはありました。

当店がオープンする前から準備を進めてきたオーディオコンテンツ「耳で味わう、英語の世界」がいよいよ始まりました。文章や声、イラストを通して、天野さえかの穏やかで優しい「樹」のような空気感が、どうかお客様にも伝わってほしいなと思っています。

この記事を書いた人:

よりそう。の店長。ウェブマガジンの編集長、オンラインショップの店長業務を担当。2014年から、夫でもある社長・高崎と共に、東京から福岡へ移り住む。海と山とあたたかな人に囲まれながら、息子二人の育児にも奮闘中。

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