わたしたちの体験ノート

【わたしたちの体験ノート】まるで心のジム?心を余すことなく動かして、元気になれるドラマセラピー

この記事は、前編からの続きです。

感情だけが身体を突き動かしていく
はじめて見る、自分の心の知らない部分

プレイバックシアターの練習を終えると、次は本番に移ります。ワークショップの約束で内容をお伝えすることはできないのですが、ウォームアップを終えて心も身体もいつもよりふわふわに柔らかくなった状態だった私。本番ではプレイヤーとして、テラーの話を演じたのですが、今まで味わったことのない心の暴走(?)のような動きを味わいました。これまで演技と呼べる体験をしてきたわけではないけれど、なぜか演じる者として心が動いていく。頭の中ではもちろん「恥ずかしい」「なに言ってるんだ私」といった理性が働くけれど、感情だけが身体を突き動していく感覚でした。

この本番を終えた後、私はプレイヤーとして演じた人物の感情から抜け出すことができませんでした。感情が現実世界に戻ってこれない、といった状態。終わっていることはわかっているのに、涙が止まらないのです。そこでシルビアさんは「洗車!」といって、私以外の参加者が布をもって2列に並び、私はその間を「私は麻衣ですー!」と叫びながら通るというワークをやってくれました。布でこすられながら、名前を叫び走る(笑)。大丈夫か、と心配したくなるような状態ですが、これによって私は感情を徐々に抑えていくことができました。よく俳優さんを「憑依型」といって表現することがありますが、まさにそれのような。自分の心の知らない部分を、はじめて見たような経験でした。

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体験を終えた後は
心のジムに通ったような感覚

ドラマセラピーとはいっても、いろいろな手法があり、今回私が味わったのはごく一部だと思います。ワークショップは3時間程度。それでも、この体験を通して「心」というものについて、改めて見つめる機会を得たように思います。

この体験を終えた後の私の心は、なんだか生き生きと輝き出すような、端的にいうとものすごく元気になっていました。それは、体操をして汗を流してすっきりするような、心のジムに通ったような感覚。

「セラピー」というと、病気の治療のためや、何かしらの問題解決をするための分野としてそれまで捉えていました。けれども、セラピーは決して病気や問題を抱えている人だけのものではないように思います。どんな人にも開かれているものであり、日常に取り入れることで身近な存在になれるのでは、と。きっと誰もが、毎日の仕事や家事や育児の中で、身体だけではなく心にも疲れがたまっているはず。セラピーに触れたり味わったりすることで、そんな心をケアすることができるのでは、というセラピーのもつ可能性のようなものを感じました。

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毎日余すことなく心を動かしていた頃のことを
人はきっと覚えている

こんなにも心は大きくて、広くて、深くて、力強くて、柔らかいんだ、ということを体感したドラマセラピー。なぜドラマセラピーがここまで心を柔らかくしてくれるのか。それは、言葉が悪いかもしれませんが、ふざけること、ちょっとバカなことをしてみること、そしてそれを人と分かち合うことに大きな意味があるように思います。社会生活を円滑に過ごしていくためには、どうしても頭も心も理性で支配されるもの。人は大人になるに従って、常識や道徳心、倫理観などに従い、心の中の感情を上手にコントロールをしていくようになります。けれども、心というのはどこかのスイッチを押すだけで、その感情たちが自由に動き出し踊りだし溢れ出す。きっとそれは私に限らず、どんな人にも備わっているはずです。

声を出したり、身体を動かしたり、何かになってみたり。自分だけでなく、周りの人と一緒に無邪気に無防備な感情を受け止め合う。それは遊びに夢中になっている子どもたちの姿と重なります。きっと人は、覚えているのだと思います。小さな頃、毎日余すことなく動かしていた心の中のことを。
裸になった心を人に見せるのは恥ずかしい。けれどもお互いにそれを受け止め合う場所があると、こんなにも心は元気になるんだ、ということをドラマセラピーの体験を通じて発見しました。

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ちょっと疲れがたまってきたな、という時。温泉に入るのも、おいしいものを食べるのもいいけれど、ドラマセラピーの力を借りて心を大きく動かしてみるのも、きっと心にとって豊かな栄養を摂ることに繋がるのでは、と思います。

セラピーがもっている可能性。よりそう。の中でもまた違う形で紹介できればと思っています。

この記事を書いた人:

よりそう。の店長。ウェブマガジンの編集長、オンラインショップの店長業務を担当。2014年から、夫でもある社長・高崎と共に、東京から福岡へ移り住む。海と山とあたたかな人に囲まれながら、息子二人の育児にも奮闘中。

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