大浦麻衣の「今日も人が好き」

連載「今日も人が好き」no.11|親子遠足で思い出す、芋掘りボイコット

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「遠足」と「ディズニーランド」。
この二つの前日になると
私は昔からどうしてもうまく眠れません。

息子が幼稚園に入園してから、初めての遠足。
つまり彼にとっては、人生初の遠足。
親子遠足とはいえ、もちろん主役は息子。
されど、昔から「遠足」の前の日となると
どうしても胸の高鳴りを抑えることができないのです。

眠れぬ前夜、遠足に纏わる思い出が
じわりじわりと浮かび上がってきました。
その中で忘れもしない思い出が。
それは、たしか高校2年生の遠足。

私は中高一貫の女子校に通っていたのですが、
遠足は決まって山登りだったのです。
せっかく心踊る「遠足」なのに
毎年ハードな山登り。
それならば、遠足と名乗らず
堂々と年間行事に「山登り」と書いてくれ!
と今振り返っても思います。

ところが、高校2年生のとき。
なんと山登りではなくなったという
画期的な出来事が!

しかし、
行き先は、芋掘り。

「はあ~!?いーもーほーりー!?(怒)」
もう学年内で大ブーイングです。
当日、ボイコットをした生徒もでたほどでした。

華のセブンティーンが、遠足で芋掘り。

芋を掘るくらい、いいじゃない。
見方を変えれば、新鮮で楽しいよ。

きっと大人たちはそう言います。
きっと今の私ならばそう思います。

でも大人ってつくづく器用だなあとも思うのです。

芋掘りなんか絶対やりたくない。
幼稚園生でもないのに、
なんで遠足で芋掘らないといけないの。

まっすぐで、とがってて、
でこぼこしていて、荒々しくて。
そういった不器用さ。
きっとボイコットした彼女たちだけでなく、
私も含め誰もが本来もっている不器用さなのかな、と。

幼稚園という集団生活が始まったばかりの息子は、
もはや不器用の極地。
平気で友達の顔面に向かって「それはだーめー!」と
叫んだりしています。。
大人がやったら、人間関係総崩れですよね。
(逆に笑いがとれそうな気もしますが。)

中学生、高校生、大学生、社会人。
「大人」という存在に近づくにつれて
私たちは、人との関わり方が器用になっていくものです。

そうした方が、人を傷つけたりしないし、
自分も傷ついたりしないし、
周りから評価されることも知ります。

17歳の自分より、
31歳の自分のほうが、
器用に人と関わりながら生きています。

けれども17歳の自分がもっていた
不器用さも含めた、透き通った純粋さ。
31歳の自分は二度ともつことができないと思うと、
芋掘りをボイコットした彼女たちの決断が、
ただただ眩しく見えたのです。

そしてまだまだ器用になりきれない
自分の中にある不器用さが、
少し大切にも思えたのです。

息子がまだお腹にいる時、
尊敬するあるお母さんから
こんな言葉を教えてもらいました。

「子育ては生き直すこと」。

彼の人生初の親子遠足は、
遠い遠い17歳の頃の小さな胸のざわつきを、
ひょいっと運んできてくれて
自分の中で再生されたような気がします。

人生の中における「遠足」というもの、
恐らく高校3年生までですよね。
息子は、どんな思い出を紡いていくのかと思うと
これまた、ただただ眩しく見えてきます。

芋掘りでもいいから、私ももう一度
自分の「遠足」に行きたいなあ、なんて
未だに遠足に対する憧れが消えていないことを
再確認した親子遠足でもありました。

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この記事を書いた人:

よりそう。の店長。ウェブマガジンの編集長、オンラインショップの店長業務を担当。2014年から、夫でもある社長・高崎と共に、東京から福岡へ移り住む。海と山とあたたかな人に囲まれながら、息子二人の育児にも奮闘中。

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