大浦麻衣の「今日も人が好き」

連載「今日も人が好き」no.10|旅人からおすそ分けしてもらう、非日常感

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津屋崎の住人になってから、はじめて旅人を迎えました。
ゴールデンウィークも過ぎた5月半ばのことです。

旅は、日常を飛び出し
非日常の世界へ連れていってくれるもの。
その「非日常感」。

旅人と共に時間を過ごすことで、
それをおすそ分けしもらったようでした。

「ちょっと寄っていいですか」

そう言われて、一緒に立ち寄った場所では
知人とばったり。
そして小さな世間話。

普段は、目的の場所まで直行直帰ばかり。
旅には「ぶらり」がつきもので、
そこには日常にはない余白のようなものがあるようです。

そしてその余白には、
人と関わること、繋がることの
面白さがつまっているようにも思います。

スーパーで夕食会の買い出しを終えて、
自転車に荷物を積んでいるときのこと。

こげな野菜どげんやって食べるとね。」

突然、隣にいた60代くらいの女性が
私たちの買い物袋に入っている
皮付きのベビーコーンをみて、
そう話しかけてきました。

若いもんは食べるっちゃろーけど、
私たちは食べんけん、わからんばい」

実は、私たちも食べ方がわからず
興味本位で買ってみたので
その場で皮をはいで、一緒に中の
コーンの様子を確認。

そして話は、野菜のおいしい茹で方まで発展。
「たっぷりのお湯で茹でるのではなく、
少量の水で蒸すべし」と熱く語るおばちゃん。

話が一段落すると、
逆サイドにいた同じく60代くらいの女性が
にこにこと私たちを見ながら、
「こげな野菜どげんやって食べるとね。
私たちは食べんけん、わからんばい」。

これまた突然話しかけてきて、ほぼ同じセリフ。
みんなが気になる、皮付きベビーコーン(笑)。

そんな風に、
見ず知らずの人とちょっと会話が弾む。
「どうも~」と言って笑顔で別れる。

なんでもないことですが、
心はふわっと柔らかくなるような気がします。

こういう場面というのは、
日常よりも旅をしている時のほうが多いような。
そして、「ああ、人ってあったかいなあ。面白いなあ」
と思い、日常をもう一度好きになったりして。

旅人からおすそ分けしてもらった「非日常感」は、
まさに皮付きベビーコーン。
普段使わない野菜料理が一品、
いつもの食卓に並んでいるような
心を弾ませてくれるものでありました。

この記事を書いた人:

よりそう。の店長。ウェブマガジンの編集長、オンラインショップの店長業務を担当。2014年から、夫でもある社長・高崎と共に、東京から福岡へ移り住む。海と山とあたたかな人に囲まれながら、息子二人の育児にも奮闘中。

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